ナザレのバス停に着くと民宿を営んでいるおばさんたちがボードを持って客引きをしている。すごい迫力でちょっとびびる。とは言えナザレの宿は予約をしていないのでおばさんたちがいて安心したのだが。

のろのろとバスを降り、荷物を受け取っていると先ほどのイケメン東洋人が客引きの一人につかまっている。そのおばさんはこちらに向かって何か叫んでいる。タイ人だと思い込んでいたイケメン東洋人は実は日本人だったらしく、おばさんの提示した条件を要約して伝えてくれた。(以下、イケメンタイ人風日本人をMくんと呼ぶことにする。)一泊30€とのことだったのでとりあえず二人でついていって部屋を見せてもらうことにする。

バス停から海と反対側に3分程度歩いた可愛らしい民家に到着した。ちなみにおばさんは異常な早足で重いバックパックをかついでついていくのはかなり大変だった。しかも歩いている間ずっと早口の英語で何かを喋り続けており、そもそもの英語能力が低いうえに移動に精一杯の私はとてもではないが聞き取れず、すべてMくんにお任せした。

案内された民家は3階がすべて旅人用の貸し部屋になっていた。全部で3部屋あるのだが、おばさん曰く他の部屋にはドイツ人やイギリス人などが宿泊しているらしい。
各自のナザレ滞在日数(私一泊、Mくん4泊)を告げると、おばさんはMくんに対してのみものすごい勢いで営業をしはじめ、私はしばし放置されることになった。

5分程度の交渉の後、Mくんは他の宿を探すことにしたらしく、今度は私に営業を始めた。Mくんに対して4泊で90ユーロと言われた部屋はかなり広いがテレビはなく、バス・トイレもほかの部屋と共同だった。なお、2つベッドがおいてあったので、おそらくカップルパッカーと勘違いして二人を連れて来たのであろう。

ちなみにおばさんは初日は部屋を一緒に使っても良いと言っており、部屋代が半額になるのならいっそ同じ部屋でも良い気がしたが、Mくんが速攻断っていたのでやや複雑な気持ちで私も断ることにした。

私は1泊しかしないのであまり宿さがしに時間をかえるわけにもいかず、一泊25ユーロでこの部屋に泊まることにした。ちなみにMくんはなぜか最後まで交渉につきあってくれ、通訳までしてくれた(Mくんは英語が達者なのです)。

しかし、このおばさんはすごいパワフル&短気で怖かった・・・。私の言っていることをMくんが通訳してくれているのに「あなたじゃなくて彼女に聞いているのよ!」と怒り、Mくんと私をたいそうびびらせた。このおばさんとは出発まで全く顔を合わせることもなく、その後のやり取りは2階に住んでいるおばあさん(彼女のマザー)と行った。おばあさんは英語がビタ一しゃべれないが、おだやかないい人だったので助かった。

とりあえずMくんと別れ、ナザレの町をぶらつくことにする。

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